バイヤーズガイド: レーザー装置を理解する

アプリケーションに適したレーザー光源を選ぶにはどうすればよいか?

すべてのレーザー光源には、レーザー媒質、励起源、光共振器の3つの主要コンポーネントがあります。

典型的なレーザー源レーザー媒質励起源光共振器
CO2レーザー, HeNeレーザーガスグロー放電キャビティ内での光学ミラー構成による光増幅
Nd:YAGレーザー, Nd:YVO4レーザー固体:結晶アークランプまたはダイオードキャビティ内での光学ミラー構成による光増幅
ファイバーレーザー固体:ファイバーガラスダイオードファイバー内での増幅

レーザー機器の購入者またはシステムのエンドユーザーにとって、レーザー光源に関するすべての物理的メカニズムの詳細を掘り下げて理解する必要はありません。 プロジェクトに使用するレーザー光源に関して情報に基づいた決定を下すために必要なのは、次の基本的なポイントだけとなります。

レーザー媒質を知ることで、レーザービームの波長が分かる

ワークピースの材料に合わせたレーザー光源を選ぶための最初の基本的なルールは、レーザービームの波長を知ることです。これは、レーザーの波長によって加工出来る出来ないということが発生しますが、ワークピースの材質への吸収率が波長によってそれぞれ異なり、それに依存するためです。

一般的に知られるルール的なものの1つとして、Nd:YAGレーザーの1,064nm波長レーザービームは、アルミニウムやスチールに対してよく吸収されるというものです。
また、CO2レーザーの波長10,600nmのレーザービームは、紙、木、革、プラスチック、布などの有機材料に対して、よく吸収されます。

laser wavelength v material absorption

今現在、ファイバーレーザーやCO2レーザーシステムは、最もポピュラーなレーザー光源です。 特記事項がない場合、ファイバーレーザーは1,064nm波長レーザーを指し、CO2レーザーは10,600nmレーザーを指します。 ただし、ファイバーレーザーは、ファイバーに混合された微量元素に応じて、実際には1,060、1,500、2,000、3,000、または5,000nmの出力を持つことに注意することが必要です。 CO2レーザーは、使用されるガスの正確な混合(主にCO2の比率)に応じて、10,600、10,300、または930nmのレーザービームを生成する場合があります。

レーザーアプリケーションエンジニアは、レーザー媒質ではなく、波長によってレーザー光源に名前を付けて呼んでいることが時々あります。 例えば、1,064nmレーザーはNearIR(近赤外線)レーザーと呼ばれ、10,600nmレーザーはFarIR(遠赤外線)レーザーと呼ばれます。 選択するレーザー光源の波長がレーザーで加工(吸収)されるか事前に確認しておくことは、納品後にレーザーでのオペレーションを確実にさせるための鍵となります。

励起源と光共振器のデザインは、メンテナンスコストに影響することを知ってください

もしレーザー技術者と会話する際に、彼らはしばしばその励起源と光共振器のデザイン、または冷却方式によってレーザー源を以下のように呼ぶことがあります。 たとえば、「lamp pumped=ランプ励起」レーザー、「Fiber=ファイバー」レーザー、「glass tube=ガラス管」レーザー、「air cooled=空冷」または「water chilled=水冷」レーザーなどです。

旧型のガラス管CO2レーザーやランプ励起Nd:YAGレーザーは、市場で非常に人気がありましたが、それらのポンプ源(アークランプまたはガス入りガラス管)は消耗品となります。 500〜1,000Hの稼働時間ごとに、装置を完全に停止させ、ランプまたはガラス管を新しいものと交換する必要があります。 さらに古いスタイルのCO2レーザーは、共振器を通るガスの流れを一定にさせる必要がありました。その結果、ガスは再利用できなかったため、運用するためのコストが高くなっておりました。 さらに、Nd:YAGおよびCO2レーザーの光共振器キャビティは、金またはセラミックでコーティングされた反射器と特別にコーティングされたミラーで作られています。 励起源で消費されるエネルギーと比べ、実際のレーザーとして取り出せるエネルギーの比率は非常に低いため、システムは積極的な冷却を必要としなければならず、一般的には水などの冷却液を使った熱交換器(チラー)を使用することになり、メンテナンスの課題があることとどうしてもコストが増加してしまいます。

ファイバーレーザーは1990年代後半にレーザー業界に導入され、20年と経たずにその市場の80%を急速に占めるようになりました。 この市場シェアの急成長は、主にほぼ完全にメンテナンスフリーであるということと、非常に長い寿命があることによるものが寄与しています。 これらの特長は、レーザー共振器がユニークな構造であるためで、光ファイバケーブルによって、光が効果的に閉じ込められるような構造であり、ファイバレーザーの独自の光共振器として機能できることがあげられます。

CW(=連続波)レーザーとパルスレーザー(短時間でエネルギーを圧縮される)

レーザー光源は、ビームの出力モードによってCW(=連続波)またはパルスに分類できます。 次の簡単なグラフを参照して、パルスのビーム出力がどのように形成されるかをご覧ください。

ランプ励起レーザーのキャビティの一方の端に90%反射するミラーをセットし、もう一方の端にほぼ100%の高反射ミラーをセットします。 アークランプが点灯し、Nd:YAGのロッド部に対して光が集光すると、ロッドはミラー方向に向かう両端から1,064nmの波長の光を放射します。 これらの光の光子は2つのミラー間で光増幅し、Nd:YAGロッドを通過するたびにさらに別の光子を励起させます。 片方のミラーは90%しか反射しないため、発生した光子の一部(約10%)はこのミラーから通過することができます。ミラーから出力された光(=レーザービーム)は、マーキング等の加工に使用できるレーザーエネルギーとなります。

Nd:YAGロッドと2つのミラーの間に1つの(これは通常、音響光学(AO)変調器、または「Qスイッチ」)スイッチング素子を追加配置し、スイッチを「閉じ」ることで光子がミラー間で反射しないようにします。 閉じている間は、ミラー、レーザーロッド内にエネルギーの蓄積があります。 スイッチが「開かれて」光子が、ミラー間を再び流れると、ロッドからのエネルギーが解き放されて光子の最初でサージ(過大な出力)が発生し、高エネルギーパルスが生成します。

次のグラフを見ると、レーザービームのパルス効果がわかります。
時間の経過に伴うエネルギー(=連続波)は、2つのモードの間で同じとします。 ただし、片方のレーザーがパルス化されると、非常に大きな出力のスパイクが発生し、その後低い出力の時間が続きます。

Continuous output v pulsed output energy diagram

パルス持続時間がナノ秒、ピコ秒、フェムト秒、さらにはアト秒で測定される時間軸に変調された場合、パルスレーザーのピークパワーは平均パワー出力よりも数千倍または数百万倍強くなる可能性があります。 これを行うことで、低電力ビームでも、ワークピースの材料を単に溶融するのではなく、気化またはアブレーションすさせることができます。

切断および溶接アプリケーションの場合、利用されるほとんどのレーザーはCW(=連続波)ですが、マイクロマシニング、マーキング、および彫刻アプリケーションの場合、ほとんどのレーザーはパルス化されたレーザーが利用されます。

平均パワーとエネルギー密度

異なる時間の長さの間隔でレーザービームをパルスすることの他に、集束光学系を通してレーザービームを加工部へデリバリーしなくてはいけません。この時に、ビームがワークピースと接触するときのビームのサイズを小さくできます。そうすることで、非常に小さな領域に大量のエネルギーが投入され、その効果を集中できます。ただし、レーザーのスポット径をその利用しているレーザーの波長よりも小さくさせることはできません。また、出力の品質が低いレーザーは、どんなに優れた集束光学系を使用しても、焦点に高品質のスポットを作成することはできません。これにより、レーザースポットサイズのサイズには厳しい制限が生じます(たとえば、CO2レーザーの波長は10,600 nmですので、つまり約0.01mm未満に焦点を合わせることができません。これを理想的な焦点サイズで実現するには完全なビームと完全な光学系が必要になります)。
ただし、すべてのアプリケーションが理想的な小さいスポットサイズにさせることで、その恩恵を受けるわけではありません。たとえば、レーザー溶接、レーザー表面洗浄、レーザー焼結、およびレーザー表面硬化は、性能を確保するためにかなり大きなスポットサイズを必要とし、レーザーアニーリングも大きなスポットサイズにすることで、より利便に扱うことができます。

laser power vs. spot size diagram

上のチャートからわかるように、レーザーの微細加工、マーキング、彫刻はすべて、スポットサイズを小さくすることでメリットがあります。 レーザー切断のアプリケーションは、中程度のスポットサイズで恩恵を受けます。 レーザー溶接や表面処理では、スポットサイズが大きいほど良いです。

グラフのx軸は、どのパワー範囲がどのアプリケーションに適合するかを示しています。これは大まかに次のように要約されます。

  1. レーザーマイクロマシニングのアプリケーションは、平均電力が50ワット未満ですが、ピークパワーレベルとエネルギー密度が高いため、HAZ(熱影響部)を非常に細かくコントロールできます。
  2. レーザーマーキングや彫刻の場合、平均出力範囲は20〜100ワットになります。 より高い平均パワーは、深い彫刻を行うときのサイクルタイムを改善させるのに役立ちます。
  3. ほとんどの非金属(有機)でのワークピースのレーザー切断アプリケーションの場合、平均出力範囲は30〜400ワットです。 一般的に、これはCO2レーザーが利用され、これら材質のワークピースに対して最適な吸収がこのビームにあります。 金属ワークピースのレーザー切断の場合、出力範囲はワークピースの厚さに応じて700〜10,000ワットの範囲になります。 切断アプリケーションでは、通常、レーザーの実行中にアシストガスを使用して溶融された材料を吹き飛ばします。
  4. レーザー溶接および表面処理のアプリケーションの場合、金属のワークピースに500〜10,000ワット、非金属(有機材料)には10〜500ワットを使用します。

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